ニートの原因
フリーターが問題視され始めた頃、終身雇用や社会保障のある正規雇用ができないことに注目が集まっていました。
利潤を追求するためには、徹底的なコストカットという考えのもとに、新規採用者を企業が研修して育てていくという流れも無駄として慶されるようになり、派遣や非正規採用で、人件費を安くしようという動きが広がっていったのです。
なんとか閉塞感を感じながらもやりくりしているところに、リーマンショックが襲いました。
ここで、高学歴であっても就職できない事態が続出しました。就職希望者にとっは、それまでの人生の価値観が覆されるような事態です。
目標を見失って、働く意欲がなくなってしまうのも当然です。
ニートの原因として挙げられるのは、まず、不景気による就職難で、就労意欲がなくなってしまうことです。
インターネットのエントリーシートを100社書いても面接にこぎつけるのは数社という場合もあるようです。
少ないチャンスを生かすために面接や資格取得に振り回され、就職活動そのものにエネルーギーを費やしすぎて、肝心の仕事が続かないという事例も頻発していました。
若者にとっては、全く希望のない話です。
一生懸命努力しても報われない思いをしている人たちがいる一方で、既に、無駄な努力はしたくないと考える人たちも出てきました。
燃え尽きてしまった人もいるでしょうが、もともと学校生活でも、辛いことや面倒なことは避けてきた人たちです。
“ゆとり世代”を代表する特徴を持っているとも言えるでしょう。
苦手なことにチャレンジしないのも、個性として得意なことがあればいいでしょと言わんばかりの態度に、先輩や大人たちをキレさせて、世代間ギャップの代名詞のようなところがありました。
経済活動が停滞し、“使い物にならない人間は使わない”といった厳しい状況では、そう言った若者は真っ先に切られてしまうでしょう。
精神的にも大人になれていなかった人の中には、世の中の厳しさに人間不信でコミュ障になり、引きこもるようになった人も多いでしょう。